そっち?

Nagisa

空手を始めたばかりのピー(弟)。まあ、ユニフォームとか着るとうれしい気持ちは誰にでもあると思う。道着を着てやる気になったところもあるだろう。さて、道着の次にピーがあこがれているもの。それは「けんさぽ」だ。多分、字をあてると「拳(けん=こぶし)サポ(サポーターの略)」かと思われる。これは、組み手の時に使うもので、兄弟子たちはみな持っている。道着は簡単に、入門してすぐ与えられたが、この「けんさぽ」は、先生が必要と思われれば与えられるらしい。夏休み前に先生に尋ねたところ、「私が注文しますので、ええ、みんなの分をまとめて。」みたいな話だったのでそれ以上聞かなかった。ピーは「今日もらえるかなあ」といつも待っていた。
「楽しみにしてると来ないときがっかりするから、忘れちゃえば?忘れてて思いがけずもらえるとかえってうれしいかもよ。」
そういって他の事をしていたら、玄関で靴を履きながらピーが歌っている。「おばけなんてないさ、おばけなんてうそさ」のメロディーで・・・
「けんさぽってなーんだ♪空手ってなーんだ♪」
そこまで忘れるか!ピー。