ヤンキーがんばれ

クリスマスローズ オリエンタリス

いつも歩く道に、小さなアパートがある。道に面しているので、1階の部屋はは丸見え。4軒のうち、2軒しか埋まっていない。その、道からよく見える部屋には、こどもが2人いる元ヤンキー風のママが住んでいる。そんなに長く暮らしている感じではない。ある日、ヤンキーは「うるっさいなー、もう!」と、子どもをどやしつけていた。別に叩いていたわけではないけど、この頃すぐに虐待とかいう言葉が思い浮かぶのが悲しい。子どもたちもちょっと悲しそう。他の日、ヤンキーは道に面した窓の外に段ボールをガンガン捨てていた。何か買い物したんだな、と思う。また他の日、子どもたちの笑い声。ああよかった、今日は楽しそう。外の段ボールの山はほったらかしだけどまあ、いいんじゃない。なんとなく、毎日ヤンキーのことを気にしている。少し前の自分。(元ヤンじゃないよ)小さい子どもの世話に追われて、大忙しの、余裕のない日々。
今日は、小さなかわいい洗濯物がたくさん干してあった。シワシワだけど、ちゃんと干してある。段ボールも、なんとなく片付いている。その不器用な干し方に思わずプッと吹き出した。いいよいいよ、えらいよ、ちゃんと洗ってあげてるじゃん。生きていくのってそういうのの繰り返しだからね。がんばってね、ヤンキー。(その素行、髪型からしておそらく元ヤンであろうということで、ヤンキーと呼ばせていただいておりますが、本当のところはわかりません。)